土地には様々な税金が掛かっています。皆さんにもっとも身近なのは固定資産税でしょう。毎年毎年市町村から請求が来るたびに「あぁまたこの季節がやって来たか・・・」とため息をつかれる方も多いと思います。
ところで固定資産税ってなぜ必要なんでしょうか? 歴史をさかのぼれば明治時代の地租にそのルーツを求めることが出来ますし、建物でいえば鎌倉時代の棟別銭や江戸時代の間口税といったケースに見られる通り、不動産を保有していることに対する税金というのは長い歴史があります。でも「建物を持っているなら税金を払え」というのも結構無茶な論理ですね。
もともとは家屋そのものというよりも家に対する課税だったようです。今でいう町内会費的なものですね。さらに最初は一時的な臨時課税、つまり檀家のお寺の普請に伴なう臨時出費のようなもの、だったケースもあるとか。
それがいつの間にか現代の固定資産税につながっているわけですが、少なくとも土地に関しては課税の大義名分はあります。
それは土地の価格が接している道路によって大きく依存しているのは皆さんご存知の通り。道路は通常公共の所有物ですから、その所有者の維持管理状況次第で価格も大きく変動します。いわばその価値を保証する保証料みたいなものを納税しているといえます。
かつては土地の価格が右肩上がりで、固定資産税はその価格の上昇に追いついておらず、そのキャピタルゲインからすれば微々たるものでした。これが不動産騰貴の一因でもあります。それがバブル崩壊とともに一気に潮目が変わり、土地の下落に固定資産税の負担が追い付かないケースがみられるようになりました。
このところ都心部を中心に地価が上昇しています。景気の波によって税収が大きく変動する法人住民税や住民税とは異なり、毎年一定の税収を見込める固定資産税は地方自治体にとって非常に重要な税収源です。
ひところ地積測量が盛んに行われていました。過少に登記されている土地の面積を正しい面積に登記しなおすことで税収が増えるので~という理由でした。ちなみに恵那市の税収の約半分が固定資産税によるものです。